【ミステリー小説のおすすめ】私が読んだ名作ミステリーを部門別にランキング!【国内&海外】

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こんにちは!シュガーです。

今回は私が読んだミステリーを、読書記録を兼ねてランク付けしてみようと思います。自分だけの本棚を作るつもりで随時更新します!

ここに紹介しているものは少なくとも私が結構面白いと感じたものだけなので、当然個人的な好みと未読による抜けがかなり含まれますが(特に合わないと思った作家は基本読まないため)、ツボが似てるなと思った方にはお役に立てるかもと思いますので、是非楽しんでいって下さいね!

Contents

6つの部門、5つの評価点で作品をランク評価してみた

今回は5つの評価でそれぞれの作品に星をつけ、それぞれ6つの部門で作品を紹介することにしました。

5つの評価点

①結末の衝撃

は、文字通りどんでん返しの強烈さ、トリックの意外性、結末の驚きの大きさ。

②巧妙な伏線

は、ヒントが巧みに出されていたか、そしてそれによってもう一度読んだときに唸らされるかどうか。結末の衝撃の★が多くこの②の★が少ない場合は、フェアな謎解き小説というよりは騙しの小説に印象が近くなっていくと考えていただければOKです。

③一気に読ませる

は文字通り。★5はノンストップでいけたものです。

④話の面白さ

はミステリ度外視で本自体のストーリーが面白かったかどうか。

⑤完成度

仕上がりの良さ。ツッコミどころ、不満点の少なさ

6つの部門

6つの部門は、

①どんでん返し部門

②プロット(物語)完成度部門

③謎解き部門

④トリック部門

⑤一気読み部門

⑥サスペンス部門

⑦番外:私が好きなミステリーベスト10

です。

かといって、「プロット部門にある作品にはどんでん返しがない」ということはまっっったくないです。私がその作品が好きな一番の理由を、部門という形にして紹介しています。

叙述トリックのミステリーに関しては別の記事でまとめていますので、こちらをどうぞ。

叙述トリックのおすすめミステリーランキング

前置きが長くなりましたが、スタートです!

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おすすめミステリー「どんでん返し」部門

『十角館の殺人』 綾辻行人

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

海外古典ミステリばかり読んでいた私が国内ミステリにハマるきっかけを作ってくれた思い出の一冊。『そして誰もいなくなった』をオマージュしているので、海外ミステリファンがこの作品から国内ミステリに挑戦した場合おそらく100%衝撃を受けますねw

叙述トリックに初めて触れた一冊でもあり、あの有名な一行で背筋が凍った体験は今でも忘れられません。

というか、背中がゾクゾクっとしたのなんてあれが人生で初でしたw 一言で「ドカン」と来るという意味では右に出るものはいない作品ですね。

普段ミステリに触れる機会がない方に、最初に手に取って欲しい一冊です。私と同じように、ハマるきっかけになってくれるかもしれません。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『ハサミ男』 殊能将之

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!

連続殺人犯である「ハサミ男」が次の被害者を殺そうと狙っていたところ、自分が殺す前に他の人に殺されてしまい、しかも自分と同じ手口の模倣犯による犯行だった!

そしてハサミ男本人が事件の調査を始めるというユニークな滑り出しに引き込まれます。

こちらもあるトリックで有名な作品で、ミステリーとしての満足度は一級品。最近のミステリーはメインの大トリックを1つに絞っていることが多い印象がありますが、この作品は核となる謎が多く、多くの読者は見事に目を眩まされてしまうと思います。

さらにこの『ハサミ男』は登場人物とストーリー自体がかなり面白く、この点でも他のミステリーの一歩上を行っていると思います。

ちなみにこの作品は映画化もされていますが、小説未読の方は観ないことはもちろん、絶対に調べもしないでください。ネタバレされます…。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★

おすすめランク:A

『殺戮にいたる病』 我孫子武丸

永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

かまいたちの夜でも有名な我孫子武丸先生の1作。

この作品をネタバレなしに語るのは不可能な気がしますが、ある種のトリックでは私はダントツのクオリティだと思っていて、これ以降同じトリックで挑んだ作品はこの『殺戮に至る病』を越えられてないなぁと感じます。とにかくラストの衝撃が半端ない。色んな意味で。

ただしかなり内容が生々しくてグロいので、その耐性が極端に低い人には全くおすすめできないんですが、大丈夫という人には真っ先におすすめして本を貸したりしています。笑

返してもらう時に大体いいリアクションを返してくれるので、信頼している一冊です!

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『星降り山荘の殺人』 倉知淳

雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。

雪の降る外界から遮断された山荘が舞台で、各章のはじめに作者からの説明文があり(この章では○○が起こる。この点に注意、など)、本格ミステリのような雰囲気を醸し出す一作。

他の叙述ミステリとは少し違ったところに核がある作品で、わりと人を選ぶと思いますが私は結構好きです。この本に関してはネタバレせずにコメントするのが難しいw

最近(2017年夏)新装改訂版が出たので、これを機会に手にとって見るのをおすすめします。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『迷路館の殺人』 綾辻行人

奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた四人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった。周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第三作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作。

綾辻行人の館シリーズ3作目。

迷路が張り巡らされた館の中で、推理作家が迷路館をテーマにした推理小説を書くが、その通りに次々に殺人が起こってしまう。

とにかくテンポがいいので一気に読めますし、ラストのどんでん返しも衝撃的です。十角館が気に入った方は是非。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

『倒錯のロンド』 折原一

精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた!? ──その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞賛した、本格推理の俊鋭による渾身の長編推理小説。

折原一の作品で最も有名だと思われる作品。

作家志望の主人公:山本が月刊推理新人賞に受賞確実の手応えを感じた作品『幻の女』。手書き原稿を友人にタイプで打ってもらうことにするのだが、その友人がなんと原稿を紛失。そしてそれを拾った第三者が何気なしに読んだ『幻の女』の出来に感嘆し、受賞により得られる賞金と印税目的に、自分のものとして月刊推理賞に応募し、なんと受賞してしまう…!?

原作者と盗作者の駆け引きが殺人にまで発展していくこの作品は、とにかく話の展開が超がつくほど面白い。

とにかく先が気になって読んでいるうちにもう終盤。「ここからどんでん返しです」と筆者に言われて「あれ、もうそんなとこまで来てたのか!」と驚いてしまいます。

騙しの作品としては間違いなく超S級なのですが、大前提となるトリックが人を選ぶかもしれない…!私もあれさえなければと思っている読者の1人です。

でも、「サクッと読めて綺麗に騙される」話やサスペンスが好きなら超おすすめの一冊です。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★

おすすめランク:B

『夜歩く』 横溝正史

「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真が、古神家の令嬢八千代のもとにまいこんだ。三日後に起きた、キャバレー『花』での佝僂画家狙撃事件。それが首無し連続殺人の発端だった……。因縁の呪いか?憎悪、貪欲、不倫、迷信、嫉妬と、どす黒い要素が執念深くからみあって、古神家にまつわる、世にも凄惨な殺人事件の幕が切って落とされた! !

横溝正史の金田一耕助シリーズの作品。

このシリーズは映像化の影響か、獄門島、犬神家の一族、八つ墓村、悪魔の手毬唄あたりが圧倒的な知名度を持っていると思いますが、この夜歩くもめちゃくちゃ面白いのでおすすめです。私は獄門島の次に好きです。

最近の国内小説ばかり読んでいると、この作品から醸し出される雰囲気のおどろおどろしさに驚くかも。オチの切れ味も抜群ですよ。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

本の説明で「暗黒ミステリ」と書かれているように、とにかく暗鬱な短編が集まった作品。

どれも結末でゾクっとくる話ばかりで、短編でここまで楽しめるものかと驚きます。

さらに短編でありながらどれも一筋縄ではいかない話ばかりで、深読みして初めてわかる衝撃も散りばめられています。

どんでん返し好きに是非おすすめしたい一冊です。

『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午

これはなかなか問題作の部類だと思います。とにかく尖った作品なので人を選びます。

トリックはもちろん、ストーリーの本筋とキャラクターという点でも人を選びますw

私はあまり好きじゃなかったんですが、トリックを見破るつもりですごく丁寧に読み進める結構ガチ志向の人や、とにかく騙されることが快感だという人には強くおすすめ。

何故ならこの作品は、他の作品に比べて圧倒的にオチを見破るのが難しいんじゃないかと私は思っているからです。なので、本気で挑むにはかなり手応えがあるでしょうし、騙されたい人にはもってこいです。

ラストに伏線に関しての解説がありますが、解説をしっかりしないとアンフェアに思われるんじゃないかというようなレベルの伏線が多く、それを「よく出来てるなぁ」と感じるか、「ここまでして騙したいの?」と感じるかでトリックへの好みがわかれると思います。

私はミステリーに関しては作者側も危ない綱渡りしているほうが好みで、作者がヒントを出していればいるほど、騙された時に「お見事」と言いたくなるんですよね。

しかしこの作品に関しては、パワーバランスが圧倒的に作者側にあるように感じられて、読者である私は圧倒的なパワーで為す術もなく散ったという感覚でした。

とは言え、結末の衝撃度なら間違いなくトップクラスの一冊なので、気になる方は是非手にとってみてください!

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★(もはや巧妙を越えた理論的な伏線)

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

①どんでん返し部門(1ページ目)

②プロット(物語)完成度部門(2ページ目)

③トリック部門(3ページ目)

④一気読み部門(4ページ目)

⑤サスペンス部門(5ページ目)

⑥番外:私が好きなミステリベスト10(6ページ目)

おすすめミステリー「プロット完成度」部門

『折れた竜骨』 米澤穂信

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?
現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!

魔法が存在する世界。十二世紀のロンドン近くにあるソロン諸島で、暗殺騎士の服従の魔法によって操られた何者かに主人公の父である領主が殺害される。

とにかくファンタジー+ミステリーの融合が魅力的な作品で、普通のミステリにはない数々の魅力的な伏線とその回収はお見事。

欠点としてはファンタジーな世界観故に読者がいまいち推理に集中できない点(魔法でどうにかなるんじゃないかと感じた時点で考えるのが面倒になってしまう)、あとはファンタジー単体としてみると、やはりかなり魅力不足であるという点。人を選ぶのは間違いないです。

しかしこの世界観が好みなら絶対楽しめる一冊だと思います。私は他の記事でも書いたことがありますが中世ファンタジーの世界観が大好きなので、その世界で大好きなミステリが楽しめるのはとても贅沢な時間でした。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『慟哭』 貫井徳郎

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

連続幼女誘拐事件が起き、事件を捜査する警察内部の人間模様を重厚に描き出しつつ、傍らでは深い悲しみを抱える男が救いを求めて宗教に染まっていくという2つのストーリーが交互に展開する。

とにかく雰囲気が重厚で、貫井徳郎さんの本はこれが初めてでしたが、これがデビュー作とかビビります…面白かった。

とにかく読後感が重く、ずっしりとした余韻が楽しめます。私はこの余韻が堪らなく好みでした。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『異人たちの館』 折原一

8歳で児童文学賞を受賞し天才少年と呼ばれた小松原淳は、なぜ富士の樹海に消えたのか?母親の依頼で淳の伝記を書くことになった作家志望の島崎は、膨大な資料を読み、関係者に取材して淳の人生に迫るが、やがて不気味な“異人”の影が彼の周辺に出没するようになり…。

数多くの謎が絡み合う作り込まれたプロットと叙述トリックが融合した稀有な作品。

作家としてなかなか大成できない島崎潤一は、小松原妙子から「樹海で失踪したわが子・淳の伝記を書いて欲しい」とゴーストライターの仕事を依頼をされ、報酬の高さから引き受けることにする。

淳の伝記を完成させるために、島崎は淳の人生を生まれたときから辿っていくが、数多くの謎が浮上し、さらに島崎の周りでも不穏な動きが見え始める。

とにかく謎の数が他の作品の比ではなく、読んでいると何もかもがミスリードに見えてくるという珍しい感覚が味わえます。

この作品を読んでいると全てを疑いながら読むようになってくるので、最後に特大の衝撃を味わえるタイプではないと思うのですが、次々に伏線を回収していき謎が明らかになっていく構成は美しい。

600ページ近くあるのに一気に読ませる、凄い一冊だと思います。折原一は叙述トリックで有名な作家ですが、私はそれよりもプロットや話自体の面白さが折原さんの一番好きなところかもしれません。とにかく面白いのでおすすめ。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『七回死んだ男』 西澤保彦

同一人物が連続死! 恐るべき殺人の環。殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵。どうしても殺人が防げない!? 不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは! 時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。

主人公が時間をループする力を持っているという設定が特異な作品。

祖父が殺される事件が発生し、ちょうどその日にループ「反復落とし穴」にハマってしまう。反復落とし穴にハマると、その日を9回繰り返すことができ、9回目の結果がその日の決定版として結果付けられる。

祖父が死なないように奮闘する主人公だが、行動を変えても毎回祖父が死んでしまう…!

ループ物が好きな方には堪らない作品ですね。ちょっとライトな文体が人を選びますが、斬新なトリックが楽しめます。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『13階段』 高野和明

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

冤罪疑惑のある死刑囚を、刑務官と前科を背負った青年の2人で救おうとする話。

「死刑」というものについて非常に考えさせられる一作で、特に死刑執行の描写の生々しさが凄い。物語のほうも人間描写、メッセージ性とエンターテインメント性が両立されていて、しばらく頭から抜けないかも。これでデビュー作とか…。

ミステリーというよりはサスペンス寄りですが、Amazonやhontoなどの評価は他の名作と比べても非常に高い。面白さは保証付きの一冊です。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

ミステリの知名度では世界一なんじゃないかと思う、『そして誰もいなくなった』。

私はミステリを読む前の小さい頃からポアロ、マープルの海外ドラマを見まくっていたので、クリスティ作品の中でもこの『そして誰もいなくなった』に触れたのは結構後の方でした。

初読時はポアロもマープルも出てこないことが寂しいと思いつつも、1日で一気に読み切ってその面白さに驚いたのを覚えています。

最近BBCで映像化されたものがかなり原作に忠実で面白かったので、この作品が好きな方は是非!

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『グリーン家殺人事件』 ヴァン・ダイン

ニューヨークのどまんなかにとり残された前世紀の古邸グリーン家で、二人の娘が射たれるという惨劇がもちあがった。この事件をかわきりに、一家のみな殺しを企てる姿なき殺人者が跳梁する。神のごときファイロ・ヴァンス探偵にも、さすがに焦慮の色が加わった。一ダースにのぼる著者の作品中でも、一、二を争うといわれる超A級の名作。

上で紹介した『Yの悲劇』の基になった、超古典であるヴァン・ダインの作品で、館で次々起こる殺人事件の走りともいえる存在。

今の時代から考えると犯人は正直わかります。全く意外でもなく、本当にわかるんですが、全編通しての雰囲気がすっごくいいんですよ。おどろおどろしくて。Yの悲劇はこの点に関してはグリーン家を越えられなかったなと。

洋館、薄暗い、閉鎖的。このワードでグッと来たら是非手に取ってみてほしいです!

結末の衝撃:★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『満願』 米澤穂信

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

個人的に短編集なら一番だなと感じているのが米澤穂信先生。

満願は各賞を取りまくりで本屋の平台にも大量に並んでいたので、これを機に手に取った方も多いのでは。

前作『儚い羊たちの祝宴』(どんでん返し部門で紹介)ではインパクト重視だなぁと感じましたが、この『満願』は渋い話が多くて凄く面白かったです。

もちろん各話の結末はしっかり読者に衝撃を与えてくれるので、コンパクトに読書したい方は是非。

『大誘拐』 天藤真

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。しのぎ稼業から足を洗い社会復帰を果たすには元手が要る、そのためには―早い話が誘拐、身代金しかない。雑居房で知り合った秋葉正義、三宅平太を仲間に、準備万端調えて現地入り。片や標的に定められた柳川家の当主、お供を連れて持山を歩く。…時は満ちて、絶好の誘拐日和到来。三人組と柳川としの熱い日々が始まる!第32回日本推理作家協会賞長篇賞受賞作。

身代金目的で誘拐したおばあちゃんがまさかのスーパーおばあちゃんだった…!

ミステリでありながら笑いながら読める傑作。とにかくおばあちゃんのポテンシャルが半端じゃないw

テンポもいいですし明るい気分になるミステリが読みたい方は是非。評価も非常に高いです。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

おすすめミステリー「謎解き」部門

『獄門島』 横溝正史

獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与え、今なお燦然と輝く、ミステリーの金字塔! !

大抵の国内ミステリランキングで最上位に位置する、横溝正史の超有名作品。

映像化作品の影響もあり、一般人の知名度では『犬神家の一族』のほうが上だと思いますが、本ではこちらのほうが評価されています。

「いつまで昔の作品を最高の評価にしてるつもりだ?」と思って読んでみるとこれが驚きの面白さ。文体が古いですが、面白さは全く色あせていません。それどころかその文体ゆえに他の作品にはないおどろおどろしさが見事に醸し出されています。

海外古典と比べても今でも読みやすく、事件の真相も最近の作品にはない意外なもの。ちなみに横溝正史は、かの『Yの悲劇』を参考にしてこの作品を書いたのだとか。『Y』を知っていれば納得いく部分が複数ありますよね。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『孤島パズル』 有栖川有栖

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。

有栖川有栖の学生アリスシリーズ第二作。

有栖川先生の作品では下に挙げる学生アリスシリーズ第三作目の『双頭の悪魔』が非常に高い評価を受けていますが、私が一番好きなのはこの『孤島パズル』。

一言で言ってめちゃくちゃ面白いです。舞台の孤島から漂うバカンスの雰囲気、そこで起こる殺人事件、宝を巡っての宝の地図の謎解き、テンポのいい展開、甘酸っぱい青春…これら全てが非常に密度濃くこの一作に詰まってます。

それでいて読者への挑戦付きで犯人当てにも挑めるとか豪華すぎですね。イチオシです。

結末の衝撃はそこまで大きめではありませんが、犯人当てという面から考えてここもプラス評価です。理想的な難易度といえます。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『双頭の悪魔』 有栖川有栖

四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。英都大学推理研の一行は大雨のなか村への潜入を図るが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。川の両側に分断された江神・マリアと、望月・織田・アリス――双方が殺人事件に巻き込まれ、各各の真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当ての限界に挑む大作。

『月光ゲーム』『孤島パズル』に続く、有栖川有栖の学生アリスシリーズ第3作目にして約700ページに渡る超大作。

読者への挑戦が3回も挟まれる本格ミステリの名作で、各種ランキングへもよく上位にランクインされている印象です。

3作目の今作から読み始めてもいいことはいいんですが、できれば最低でも前作の『孤島パズル』くらいは読んだほうがいいと思います。というか私は孤島パズルのほうが好きなので余計にあちらから読んでほしいですw

感想としては、まさに本格、王道のフーダニット(犯人当て)小説。論理的に謎解きがしたい、エラリィ・クイーンの国名シリーズのようなミステリが好きな方には堪らない一作ではないかと。本格が読みたいけど古典はちょっと…という方にはノータイムでこれをおすすめ。複雑ながら難しすぎない絶妙な難易度で謎解きを楽しめます。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『眩暈』 島田荘司

切断された男女が合成され、両性具有者となって甦る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。『占星術殺人事件』を愛読する青年が書き残した戦慄の日記が示すものは何か。醜悪な現実世界に奇想と驚天動地のトリックの矢を放つ。ミステリーの新たな飛翔を決定づけた傑作。

占星術殺人事件同様、奇妙な手記から始まる一作。

森に恐竜が闊歩し、太陽が消えて死者が立ち上がるというような記述を、全て事実を書いているに過ぎないと言い切る御手洗。この時点でもう結末が気になって仕方ないです。

本の分厚さに眩暈がするかもしれませんがw、引き込まれるので想像以上に一気に読めると思います。おすすめ。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『Xの悲劇』 エラリィ・クイーン

ニューヨークの電車の中で起きた奇怪な殺人事件。おそるべきニコチン毒をぬったコルク玉という新手の凶器が使われたのだ。この密室犯罪の容疑者は大勢いるが、聾者の探偵、かつての名優ドルリー・レーンの捜査は、着々とあざやかに進められる。“読者よ、すべての手がかりは与えられた。犯人は誰か?”と有名な挑戦をする、本格中の本格。

私に海外古典ミステリの面白さを教えてくれた一冊。

このXの悲劇を最初に読んだのは10年以上前ですが、未だに映画のように頭のなかに情景が浮かんできます。

大雨の中、路面電車の中で起こる殺人事件、そして深夜の埠頭で起こる殺人事件…。事件の面白さ、犯人の意外性はもちろん、雰囲気を楽しみたい方に超おすすめしたい一作。この点では私の中で不動の1位です。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『Yの悲劇』 エラリィ・クイーン

行方不明をつたえられた富豪ヨーク・ハッターの死体がニューヨークの湾口に揚がった。死因は毒物死で、その後、病毒遺伝の一族のあいだに、目をおおう惨劇がくり返される。名探偵レーンの推理では、あり得ない人物が犯人なのだが……。ロス名義で発表した四部作の中でも、周到な伏線と、明晰な解明の論理は読者を魅了する古典的名作。

バーナビー・ロス名義で書かれたドルリィ・レーン四部作の二作目で、海外ミステリランキングで常に最上位に位置するエラリイ・クイーンの超有名作品。

XとYは本当に同じくらい好きで、どちらか選べと言われても選べませんw

余談ですが、バーナビー・ロス=エラリイ・クイーンだとわかった時の世間の騒ぎ方ってどんな感じだったのか凄く気になりますw こういうの今の時代だったらインターネットもあるし凄く楽しそう。

このYの悲劇はXの悲劇とは違い一転して「館もの」。毒々しい雰囲気が全編に漂っていて、暗い雰囲気が好きならたまらないかも。初めて読んだときは言い様のない恐怖で夜眠れなくなったのを覚えています。

それにしても、XもYも本当に今読んでもめちゃくちゃ面白くて一気に読めるのが凄い。古典の翻訳とは思えませんね…。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『葬儀を終えて』 アガサ・クリスティー

リチャードは殺されたんじゃなかったの―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだったのか?翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤の中に見たものとは。

うろ覚えですが、小さい頃にアガサ・クリスティが自分で決めたベスト作品群の中で、有名タイトルに混じってこの『葬儀を終えて』が入っており、この作品を知らなかった私は早速読んでその面白さに驚いたのを今でも覚えています。

とにかく掴みがよくて、一家の主リチャードが死ぬ→遺族が集まって遺言公開→末妹コーラ「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」→コーラ惨殺

という流れで一気に引き込まれます。

そして犯人や動機もめちゃくちゃ意外で、まさかこんなに騙されるとはとびっくりしたんですよね。

巻末の解説で折原一さんもクリスティベスト1に挙げていたのをこの記事執筆中に気付き、ちょっと嬉しくなりましたw

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

おすすめミステリー「トリック」部門

『占星術殺人事件』 島田荘司

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。

島田荘司のデビュー作にして非常に高評価を得ている御手洗潔の登場作品。

トリックは某盗作によってかなり有名になってしまっていますが、私がミステリのトリックと言われて最初に思い出すのは常にこの作品。これからもこれを超えるインパクトはないかもしれないなぁ。

御手洗潔のキャラクターに魅力がありすぎて、一気にファンになったのを今でも覚えています。御手洗に惹かれた方は、この後に斜め屋敷の犯罪→異邦の騎士と一気に読んでしまいましょう!

読者への挑戦状もあるので、謎解きに挑みたいときにも!

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『時計館の殺人』 綾辻行人

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島(つのじま)・十角館の惨劇を知る江南孝明(かわみなみたかあき)は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!

新本格の代表作家である綾辻行人先生の「館シリーズ」の中の1作。

知名度では圧倒的に『十角館の殺人』が上ですが、私が1番好きなのはこの時計館。

ミステリーには意外なトリックがつきものですが、頭の中の映像が一気にブワっと衝撃を受けたのはこの作品が初めて。さらにそのトリックがしっかり物語と関係しているところが他の作品にない素晴らしさだと思います。

十角館の殺人から登場している馴染みのキャラクターがいるのでできれば十角館から読んだほうがいいですが、これ単品でも十分読めるようにできています!

被害者側の視点から殺人が描かれるのですが、これが本当に怖いです。ホラーとしても一級品。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『容疑者Xの献身』 東野圭吾

 天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。

ミステリの各賞取りまくりの超有名作品。映画化もされましたね。

正直に言うと、ミステリのトリックよりもその人間描写のほうに余韻がある作品ですが、トリック自体も面白いです。探偵が天才なのはよくある話ですが、犯人も天才というのはやはり魅力的ですよね。

映画の方の出来もなかなかにいいので、そちらを鑑賞するのも手。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

『すべてがFになる』 森博嗣

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

ドラマ化されて知名度も上昇した西之園萌絵+犀川創平のコンビ。

近未来的な雰囲気のハイテク研究所で、完全に隔離された真賀田四季博士の部屋から運搬用ロボットに載せられた手足なしの死体が出現する。

博士しかいないはずの部屋でどうして殺人が起きたのか。全ての部屋の開閉のデータが記録される施設でどうやって犯人は部屋に入ったのかという密室トリックが肝。

私は完全に文系の人間なので、理系ミステリと呼ばれるこの作品の本当の面白さには気づけていないかも?w 理系の方は是非!

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。御手洗潔は謎をどう解くのか!?

島田荘司の御手洗潔シリーズ2作目。

この作品はとにかくトリックが強烈の一言。こんなにポカーンとなったミステリもなかなかないですw

このトリック自体は人を選びますが、占星術殺人事件を読んで御手洗のキャラが気に入っていれば間違いなく楽しく読めると思います。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

御手洗潔短編シリーズ 島田荘司

御手洗潔の長編をいくつか読んで好きになった人には短編集が超おすすめ。

御手洗のキャラクターを存分に楽しめる他、大掛かりなトリックも十二分に楽しめることができて非常にお得感があります。

最近厳選短編集が発売されたので、とりあえずこれから読むのもおすすめかも。

おすすめミステリー「一気読み」部門

『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

恋愛小説と見せかけて…という作品。

どんでん返しと紹介されることが多いですが、オチに関しては正直超簡単な部類。登場人物が少なく物語の幅が狭いため、1つ違和感が浮上すると考えられるオチがそう多くなく、何かしら予想してしまうと多分当たると思います。

なので、読了後対して面白くなかったと感じる方は私含め多いと思います。

しかし!この本に関しては絶対に二度読みしたほうがいいです。伏線を洗い直すと結構ゾクっときます。実はスルメ本なんですこれ。「最後から2行目の衝撃!」という煽り文句は的外れで、これはじわじわ系です。

ボリュームが少なく数時間で読める点も個人的にはすごく良かったです。恋愛小説好きなら是非。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『仮面山荘殺人事件』 東野圭吾

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。

高之の婚約者・森崎朋美が不可解な状況の事故で死んだ。

森崎家は毎年夏に別荘で避暑を楽しむイベントが恒例になっていて、高之も参加することに。

しかし8人が集まったその別荘に逃亡中の銀行強盗が侵入し、全員が捕らわれてしまう。

なんとか脱出を試みる8人だが、そんな中なんと1人が殺される殺人事件が起きてしまい、それには森崎朋美の事故が関係しているとしか思えない状況だった…!

というとにかく掴みがよくてガンガン読ませる作品。舞台映画みたい。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『倒錯の死角 201号室の女』 折原一

覗く男と覗かれる女究極の折原マジック
ベットの上にのびた恍惚の白い脚──男の妄想が惨劇を呼ぶ!

ベッドの上に白くすらりとした脚が見える。向かいのアパートの201号室に目が釘付けになった。怪しい欲望がどんよりと体を駆けめぐる。あちら側からは見えないはずだ──屋根裏部屋から覗く男と覗かれる女の妄想がエスカレートし、やがて悪夢のような惨劇が。折原ワールドの原点ともいうべき傑作長編!

上に『異人たちの館』『倒錯のロンド』で紹介した折原一の作品。

覗きが癖になっている翻訳家の男と、覗かれる若いOL…。しかしその女の首にはストッキングが…!というどこかヒッチコックの裏窓を連想させる始まり方。

なんと文庫でありながら最後の謎は袋とじの中。こんなの見たことありませんでしたw

異人たちの館、倒錯のロンド同様、一気に読ませる展開には脱帽です。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★

おすすめランク:B

『ロートレック荘事件』 筒井康隆

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。

ロートレックの作品に彩られた洋館で、3人の美女が次々と殺される。

1990年に発表され当時斬新だったこともあり謎解きの解説が若干くどいですが、このおかげでどこに伏線を張ってあったかがわかりやすいので嬉しい一面も。

上品な舞台に似合う情緒的な結末も好みです。200ページという薄さなので1日で読める点も嬉しい。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『ルビンの壺が割れた』 宿野かほる

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。覆面作家によるデビュー作にして、話題沸騰の超問題作!

一気読み部門とはこの作品のためにある言葉かもしれない。

新潮社がこの作品につけるコピーを募集するために全文無料で公開したという経緯がある衝撃作。

SNSでの会話のみで繰り広げられており、本当に数時間で読み切ってしまいます。賛否両論の話題作ですが、気になる方は是非。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★

おすすめランク:C

おすすめミステリー「サスペンス」部門

『異邦の騎士』 島田荘司

失われた過去の記憶が浮かびあがり男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。やっと手にした幸せな生活にしのび寄る新たな魔の手。名探偵御手洗潔の最初の事件を描いた傑作ミステリ『異邦の騎士』に著者が精魂こめて全面加筆修整した改訂完全版。幾多の歳月を越え、いま異邦の扉が再び開かれる。

ミステリというよりはサスペンスの要素が強いですが、個人的にかなり好きな作品です。探偵は最近映像化で少し知名度が上がった気がする御手洗潔。

この作品は『占星術殺人事件』(+斜め屋敷の殺人)を先に読むことが必須なので、必ず占星術を最初に読んで下さいね。

結構ホロリと来るのが特徴。読後感が素晴らしいです。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『幻の女』 ウイリアム・アイリッシュ

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?

私の中でサスペンス小説(主人公が追い詰められていく系)の頂点に立っている作品。『わらの女』もこれとほぼ互角なくらい大好きな作品なんですが、迷った末にこっちにしました。わらの女に関しては下で紹介しています。

さて、この作品の見どころはなんといっても主人公の無罪を証明するために事件の夜を共にした「幻の女」を探すそのスピード感。行く先行く先で目撃者が謎の死を遂げてしまい、証拠が手からすり抜けていくもどかしさが、ページをめくる手を止めさせません。

こういう追い詰められ系の話が好きな人には堪らないと思います。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

カミーユ・ヴェルーヴェン三部作(悲しみのイレーヌ、その女アレックス、傷だらけのカミーユ) ピエール・ルメートル

その女アレックスが圧倒的に有名になったこのシリーズですが、全て読んでみると、これは3つで1つだなという感想に落ち着きました。

というのも、これらの作品は非常に高いサスペンス性が特徴でそこが評価されていますが、3作読むと、全ての作品で登場しているカミーユ・ヴェルーヴェン班の変化を楽しむのもまたこのシリーズの醍醐味だなと感じたからです。

実際、『イレーヌ』を読むと強烈に『アレックス』を読みたくなり、『カミーユ』を読むとまた『イレーヌ』から一気読みしたいと感じた方は多いのではないでしょうか。

ちなみに私個人の好みはイレーヌ>アレックス>カミーユの順。それにしてもピエール・ルメートルはサディスティックすぎる…w

ちなみに下でも紹介しますが、『死のドレスを花婿に』も面白いですよ。

『悲しみのイレーヌ』

『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部のデビュー作。 奇怪な連続殺人をめぐる物語がたどりつく驚愕の真相。 若い女性の惨殺死体が発見された。パリ警視庁のヴェルーヴェン警部は、裕福な着道楽の部下ルイらとともに捜査を担当することになった。殺人の手口はきわめて凄惨で、現場には犯人のものと思われる「おれは帰ってきた」という血文字が残されていた。 やがて過去の未解決事件とのつながりが浮かび上がる。手口は異なるものの、残虐な殺人であることは一致していた。これは連続殺人なのだ。そして捜査が進むにつれ、犯人は有名なミステリ作品に登場する惨殺死体を模して殺人を繰り返しているらしいことが判明した。ジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』、ブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』……ほかにも未解決の事件があるのではないか? ヴェルーヴェン警部らは過去の事件のファイルを渉猟し、犯人の痕跡を探る。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『その女アレックス』

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『傷だらけのカミーユ』

 アンヌという女性が二人組の強盗に殴られ瀕死の重傷を負った。警察からカミーユに電話がかかってくる。アンヌの携帯の連絡先のトップにあったのがカミーユの電話番号だったからだ。カミーユは病院に駆けつけ、アンヌとの関係を誰にも明かすことなく、事件を担当することにする。しかし強引なうえに秘密裏の捜査活動は上司たちから批判され、事件の担当を外されるどころか、刑事として失格の烙印さえ押されそうになる。カミーユはいったいどのようにして窮地を脱し、いかに犯罪者たちを追い詰めることができるのか。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『死のドレスを花婿に』 ピエール・ルメートル

狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!

優秀なキャリアウーマンだった主人公が、時々記憶を失ってしまうようになり、記憶を失っている間に人を殺してしまったという疑惑が持ち上がる。

かつて正常だった自分が、なぜこんなことになったのかわからないという感情移入しやすいスタートが、まさに極上のサスペンス性。

衝撃の展開が多数用意されていて全く飽きないので、最後まで行き着く間もなく読み切ってしまえると思います。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『わらの女』 カトリーヌ・アルレー

翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。

海外サスペンスというと幻の女や死の接吻などに押され気味ですが、私はこの『わらの女』は本当に面白かったです。

今風に紹介するなら、婚活中の34歳独身女性が大富豪の嫁募集の広告に飛びついて、遺産を狙う話ですw

結末に少しツッコミどころがあるのが残念ですが、本当に最後まで一気に読めます。面白い。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★

おすすめランク:A

私が好きなミステリベスト10+α

最後に、私が個人的に好きなミステリベスト10をランキングで置いておこうと思います。

迷いまくりました。というのもそんなに大差ないというか、10選は苦労しないのですがその中での上下は難しいです…。

追記:新たに自分のベスト10に食い込んだ作品を追記した際は、もともとの10位の作品は消さずに11位、12位と繰り上がっても残すことにしました!このベストもどんどん増えていけばいいなと思います。

11位:『悲しみのイレーヌ』

一冊の本から与えられた衝撃という意味ではトップの作品。

結末があまりにも重すぎて、『アレックス』を先に読んでいなかったらどんな余韻になっていたのか今でも心配。

しかしそれだけではなく有名ミステリに擬えた連続殺人という事件自体も好みで、また1部から2部に入ったときの衝撃も半端じゃないです。

10位:『十角館の殺人』

もうあの一行の快感に尽きる。

一行でどんでん返し系のミステリは数多くあると思いますが、これほど明快に、なんの疑問が生まれるでもなく、ゾクっとくる一行は他にないと思います。

犯人が死体を発見してガクガクするところだけがちょっと好きじゃないので、もうちょっと恐れずに攻めてほしかったな~。

9位:『幻の女』

サスペンスといえばコレ。

出だしの一文の美しさが有名ですが、全編通じてノワールな雰囲気が漂っていてそこが好み。

存在するはずなのに見つからない幻の女、次々と殺される関係者。とにかく続きが気になって仕方ないので物凄いスピードで読めます。

8位:『占星術殺人事件』

トリックでは右に出るものはいないと確信している一作。

手記で脱落する人も多いようですが、島田荘司作品は全く結末が予想できない始まり方をするので、私は手記の時点でめちゃくちゃワクワクしてました。

ただ少し長すぎるので、もう少し短ければベスト3は硬かったかなと思います。

7位:『Xの悲劇』

事件の情景が最も頭から離れない一作。

おそらくニューヨークの情景描写が相当上手かったんでしょうね。完全に頭のなかで映画化されてます。

章ごとに日付と時間を書いてくれていることの重要さが身に染みる…。

6位:『折れた竜骨』

中世ファンタジー好きの私には堪らなかった作品。

「強いられた信条」による操り人形「走狗」が起こす殺人、魔法世界ならではの操作方法など最初からワクワクが止まらなかったです。それでいてクライマックスは「儀式」と題して本格ミステリさながらの全員を集めての推理ショーと好きなところはすべて抑えていた作品。

5位:『孤島パズル』

有栖川有栖の学生アリスシリーズ2作目。

とにかく全てが面白かった…。個人的に文句の付け所がないくらい楽しめました。

謎解きのスケールもまさにちょうどいい感じで、読者への挑戦も真っ向から挑みたくなります。これぞ謎解き小説。

シリーズで一番有名な『双頭の悪魔』もそうですが、この方の作品は舞台の描き方が上手いんですよね。脳内に情景が凄く浮かびますし、いつまでも頭に残ります。

4位:『ハサミ男』

とにかくハサミ男のキャラクターが好き。

なんであんなに自殺しようとしてるのかと真剣に読むと意味不明なんですが、滑稽に思いながら読むと自殺失敗するたびにちょっと笑えてきます。

トリックが文字通り「一筋縄ではいかない」ところが大好きで、「見破ったぞ!」と思っても犯人まで辿り着けないところが好きです。

3位:『異邦の騎士』

初読時に見事に結末にびっくり仰天し、同時に感動した記憶が抜けない一作。

サスペンスが好きなので記憶喪失の男が何やら事件に巻き込まれていくというプロットに物凄く引き込まれ、一気読みしたのを覚えています。

占星術→斜め屋敷→異邦と読んで完全に御手洗潔のファンになりましたw

2位:『時計館の殺人』

1位と迷った結果、ギリギリで2位に。

1位と比べた結果2位に落ちたのは殺人場面のホラー、スプラッター度が高すぎてこの点が「好き」ではないから…w(むしろあんなに怖いのは本の評価としては上がるんですけどね)

とにかく綾辻行人の館シリーズではダントツの出来だと思っている作品がコレ。なんといっても「館」自体のキャラ立ちが他と比べ物にならず、クライマックスの美しさと荘厳さはミステリ1だと思ってます。

1位:『Yの悲劇』

迷った結果、1位はYの悲劇に。

自分でも1位というと違和感がなくはないのですが、1回読んだだけで全ての伏線が頭に絡みついて離れずいつまでも記憶に残るという点、海外古典のくせに何度読んでも本当に面白い点などやはり突出したところがある感は否めません。そして嫌いなところが1つもないんですよねこの作品。

なぜこんなに内容が濃いのか。読んだ後ここまで内容を忘れないミステリーはこれくらいです。

独特の読後感もやっぱり好きで、最初に読んだとき眠れなくなったのも忘れられません。