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映画『シン・ゴジラ』感想と考察:84点【ネタバレ対策あり】

現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)。

このキャッチコピーの通り、とにかくリアリティのある日本対ゴジラの映画でした。

私は邦画は普段あまり観ないのですが、これは本当に面白い映画でした。もう一回観れるなぁ…。

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シン・ゴジラの予告動画

シン・ゴジラは怪獣映画というより、サスペンスだった

シン・ゴジラは、首相官邸を中心に、ゴジラに対する対策を立て動く人間たちのシーンがそのほとんどを占めています。某映画風に言うなら、事件は現場ではなく会議室で起きています。それもそのはず、現場に行こうものなら生きて帰ることができないですしねw

このシーンの数々がリアリティに満ちていてそれはもう面白い。私の貧相な知識で語ることは到底出来ませんが、

「今の日本にゴジラが現れたらどうなるか」

というシチュエーションを存分に怖がり、楽しむことができます。

雰囲気は会議系・政治系のサスペンス映画そのもの。皆が早口なのに加えて情報量が本当に物凄いので、一回では到底全てを観ることはできないなと感じました。

個人の人間ドラマや登場人物のバックボーンは排除し、日本という国がゴジラという天災にどう立ち向かっていくのかという点に集中していたのも良かったなと。とにかく個人より集団に焦点を当てて描かれていたように思いますね。日本という国の内部の集団のドラマだと言えるかもしれません。本当に見応えがありました。

シン・ゴジラにはエヴァンゲリオンの空気が蔓延している

シン・ゴジラの総監督・脚本はエヴァンゲリオンの庵野秀明。

エヴァを知っていれば、監督が庵野秀明であることを知らなくても一瞬でそうだとわかるくらい、雰囲気がエヴァです。

読めもしないスピードで出される人名のテロップに加え、なんと場面場面で聞き慣れた「ダーン・ダーン・ダーン・ダーン・ダンダン」のイントロが。

流石にこれは劇場で「え?」って声出そうになりましたw サビは流石に来ませんでしたが、エヴァのBGMそのものでした。

それもそのはず、音楽はエヴァンゲリオンと同じ鷲巣詩郎さんなので、遊び心を出したのかもしれないですね。他の楽曲も雰囲気出ててとても良かったです。予告1でも流れたシン・ゴジラのメインテーマは本当に凄い。本来のゴジラのテーマが明るく聞こえてしまったくらいです。

シン・ゴジラのゴジラはとにかく怖い

まず今回のゴジラは幼体から進化していくのですが、この幼体の顔、動きが怖すぎて笑いました。子供泣くぞww

幼体ゴジラは突如横浜沖に登場。東京に上陸し、這うように移動しながら甚大な被害を及ぼしていきます。車が池に氾濫していくシーンは東日本大震災の津波を思い出させましたね…。他にも、ゴジラが放射線物質を放出することによる除染の問題の浮上など、明らかに東日本大震災を意識した意図的なものだなと感じました。

さて、やがてゴジラは二足歩行のあの見慣れたゴジラへと進化を遂げますが、その時点ではまだ移動するだけの生き物です。早急に対策しようと自衛隊の攻撃を経て在日米軍による爆撃も始まりますが、そこで初めてゴジラが牙を剥きます。

あのシーンの絶望感はなかなかに半端なかった。是非劇場で体感してほしいと思います。今回のゴジラはとにかく怖い。

以降ネタバレは2ページ目で!

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