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『ギルティ』のネタバレ全開でストーリーを振り返る
誘拐されたと思われる女性からの電話の情報で、その女性の名前「イーベン」、住所などを突き止めたアスガーは、イーベンの家に電話をかけます。
電話に出たのは娘である「マチルデ」。彼女はママがパパに暴力を振るわれて連れて行かれたことを悲しみ、アスガーはママを必ず連れて戻ることを約束します。
1人で寂しいと泣くマチルデに、アスガーは弟のオリバーと一緒にいるように伝えます。
マチルデはパパがオリバーの部屋に入るなと命令したと言いますが、暴力を振るう男のことなど聞く必要はない、オリバーと一緒にいなさいと伝え、
アスガーはマチルデの元に警官を派遣して保護してもらうように手配します。
アスガーはマチルデからママを連れて行ったのは元夫のミケルだということを聞き出します。
イーベンとアスガーが電話でやり取りできていたのは、イーベンが緊急の電話をマチルデとの電話と偽っており、イーベンを連れて行った元夫のミケルがそれを信じていたからでした。(ここのアスガーの立ち回り方が上手くて、あくまで子供と話しているように偽りつつ、少しずつイエスかノーで答えられる質問を潜ませて情報を掴んでいました。ここでは警察官ってかっこいいなって思いましたね笑)
アスガーは、マチルデからミケルが乗っている車の特徴を知り、警察の情報網で車のナンバーを掴むことに成功。パトカーを手配して見つけようとしますが、なかなかうまくいきません。
そんな時、マチルデから再び電話がかかってきます。そしてどうやら警官が到着した模様。
警官に電話を変わってもらうと、なんとマチルデが血だらけになっていると言います。アスガーはマチルデが怪我でもしているのかと気にしますが、自分の血ではないと言い張っています。
嫌な予感がしたアスガーは、警官にオリバーを探せと叫びます。
警官はオリバーを発見しました。しかしオリバーはズタズタに切り裂かれて死んでいました。
アスガーは、マチルデがミケルにオリバーの部屋に行くなと命令されていたのにもかかわらず、自分がオリバーのそばにいるように諭したことを思い、頭を抱えます。(こういうところの見せ方が抜群に上手い映画でした。言葉じゃなく、あくまで映像で伝えていたのが素晴らしい)
ついに立腹したアスガーは、警察の情報網から直接ミケルに怒りの電話をかけます。
しかしミケルは、関わるなと言って電話を切ってしまいます。
アスガーは再びイーベンに電話をかけ、ミケルがシートベルトを着けていないことを知ると、シートベルトをつけてからサイドブレーキを引くように言います。
つかの間の沈黙。
そしてイーベンから再び電話がかかってきます。
言われたように実行したが逃げることはできず、トランクに閉じ込められてしまったようです。イーベンは、閉じ込められるのは嫌だとパニック状態になってしまっています。
アスガーはミケルがレンガ職人だということに目をつけ、レンガがないかどうか確かめるように言います。
するとイーベンはレンガを発見。アスガーは、車が止まったらレンガでミケルを思いっきり殴って武器を奪い、現在地を伝えるようにいいます。
イーベンは最初は殴ることを躊躇しますが、アスガーはミケルのような悪い男に遠慮はいらないと伝えます。
緊張してパニック状態になっているイーベンに、アスガーは普段何をしているのか、どんなことが趣味なのかと親しみやすい話題で緊張を解くことを試みようとします。
イーベンは少しずつリラックスしてきて、水族館が好きだということ、水の中は静かで平和そうだということ、アスガーに一緒に行かないかと誘います。
妻に出ていかれたアスガーは、イーベンと打ち解けて、これが終わったら喜んで行こうと伝えます。
するとイーベンは、よくわからないことを語りだしました。
オリバーがヘビに苦しめられていたと。お腹の中にヘビがいて、それがオリバーを苦しめていたと。でももう大丈夫だと。
それを聞きながら、アスガーの表情が変わっていきます。
オリバーは、切り裂かれて死んでいました。イーベンの発言から、お腹の中のヘビを取り出すためにイーベンが殺したであろうということ、そしてイーベンが精神に病を抱えているであろうことを察します。
次の瞬間、車が停止しました。
トランクを開けたミケルに、イーベンは襲いかかりました。
聞こえてくる鈍い音。アスガーは絶望します。
そして車の行先に、精神病院があることが発覚しました。
ミケルは精神病院に向かって車を走らせていたのでした。イーベンが閉じ込められるのが嫌だといっていたのは、精神病院でのトラウマのことを指していたのです。
アスガーはミケルが生きていることを祈ってミケルに電話をかけます。
ミケルはなんとか生きていました。なぜ言わなかったのかとアスガーはミケルに問いますが、前科者だったミケルはそもそも警察に不信感を持っており、また過去にもこんな状況があったのに誰も助けてくれなかったことから警察官であるアスガーに頼れなかったことを告白します。
イーベンがアスガーに最初に緊急ダイヤルで電話をかけてきたときに相手がマチルデなら電話を許していたことに違和感がありましたが、ミケルは別に誘拐犯ではないので当然だったわけですね…。
アスガーはイーベンに電話をかけます。
イーベンに今どこにいるのかと伝えても何も答えません。しかし電話からは車の音が遠くに聞こえます。
イーベンは車が下の方に見えるといいます。アスガーは、イーベンが陸橋の上にいることを察し、パトカーに向かうように手配します。
イーベンは、自分がオリバーを殺したの?と涙声でアスガーに訴えます。イーベンはあくまでオリバーをヘビから助けたと思っており、殺したとは思っていません。
アスガーは、殺したくて殺したんじゃないと説得しますが、イーベンは橋から飛び降りて自殺しようとしていました。
アスガーは、自分の罪を告白します。
アスガーが電話番となった原因である、現場で起こした問題というのは、殺す必要のない19歳の犯人を撃ち殺したというものでした。
アスガーは日常に絶望していて、なにか悪いものを取り除きたかったと告白します。
そして、自分は殺す必要のない犯人を、自分の意志で殺してしまったんだとイーベンに伝えます。
自分は意思を持って殺してしまった、でもイーベン、君はそうじゃない、と。
しかも家で待っているマチルデがいるじゃないかと。自分はマチルデにママを連れ戻すと約束したと。
パトカーの音が聞こえてきました。
イーベンは、アスガーに「あなたはいい人ね」と伝えて、電話が切れてしまいます。
アスガーは再び絶望します。
沈黙。
そしてアスガーは本部に電話をかけます。
イーベンはどうなったかと。
すると本部は答えます。「保護したわ。お手柄ね」と、ただそれだけ。
アスガーは表情をほんの少し和らげ、ゆっくりとイヤホンマイクを置き、出ていきました。
とにかく見せ方が抜群に上手かったし、余韻も最高だった
この映画の良さは1つは見せ方の上手さです。
アスガーの耳のヘッドホンに焦点を当てたジッとしたカメラワークや、ところどころで使われる「沈黙」がすごく上手い。
沈黙の後に電話がなって即出たら全く関係ない事故の電話だったりするんですよね。そのリアル感の出し方もすごく上手かったです。
伏線の張り方とその回収の仕方も抜群で、特に主人公アスガーが一体現場でどんな問題を起こしたかというのは中盤以降すごく気になる点になってくるんですが、これの使い方が素晴らしかった。
まさに罪と罰、そして許しというんでしょうか。アスガーは最初は仲間と示し合わせて、裁判で自分がやったことに意思がなかったということにしようとしていたんですが、
最後には全て自分の罪を認めようとしていました。そしてそれをイーベンにも告白して、結果的にそれがイーベンを救うことになったというラスト、素晴らしかったです。
本当に余韻が抜群によかった。
ミステリ・サスペンス映画で大当たりというのはそれ自体が快挙
ミステリ・サスペンスというジャンルは、本に比べて映画では本当に当たりが少なくて、
特に新しい作品で大当たりが出るということが滅多にないジャンルです。
なので私は今作もそこそこの期待くらいで映画館に足を運びました。
それがどうでしょう、この大当たりっぷりは。
このジャンルでこんなに満足したのって本当にめちゃくちゃ久しぶりで、本当に嬉しかったです。
この映画は特に低予算ですから(エンドロール超短かったですw)、やっぱり映画って金じゃないなということを痛感しました。
最近でいうと邦画の『カメラを止めるな!』も低予算映画で大ヒットでしたし、映画自体にいい流れが来てるなぁと。嬉しいことですねぇ。
映画『ギルティ』が面白かった人におすすめの映画
私と同じように、映画『ギルティ』が面白かった!という方に向けて、おすすめしたい映画がいくつかあるのでここで紹介しますね。
まず1つ目は、
『Search』です。
3/1現在はTSUTAYAでのレンタルすら始まっていない最新作ですが、Amazonではレンタルでもう見れます。
ストーリーは娘が突然行方不明になってしまい、父親がSNSやネットを通じて娘を探そうとするというもの。
この作品は評価自体も非常に高く(Filmarksで4.0)、私自身もかなりおすすめできる作品です。少なくとも、サスペンスが好きという方は必ず観たほうがいいとは断言できますね。
2つ目は、
『フォーン・ブース』です。
記事の最初で紹介したように、偶然とってしまった公衆電話から主人公がどんどん追い詰められていくサスペンス作品。ギルティと同じくワンシチュエーション作品です。
サスペンス度がかなり高いので、濃密な時間を過ごしたい方はぜひ。