超面白い「海外ミステリ」の部門別おすすめランキング!

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こんにちは!シュガーです。

今回はミステリ小説を、海外ものに絞って、私なりのおすすめランキングを作成してみたいと思います。

私にとっての海外ミステリの面白さは、国内ミステリよりもサスペンス性が高いものが多く、スピード感があるということと、また国内ミステリにはない上品でおしゃれな雰囲気が味わえるという点が大きいと感じています。

また、北欧ミステリは社会問題を重めに扱っていたり、これも国内物では味わえない深みが感じられますね。

この記事の作品はどんどん追記していきます!

Contents

海外ミステリを部門別にランキング化してみる

当ブログのミステリ記事はすべて、ミステリ作品をそれぞれ特徴から部門別に分け、ニーズに応えやすいような構成にしています。

今回も、

  1. どんでん返し部門
  2. サスペンス部門
  3. 本格ミステリ(謎解き)部門
  4. プロット完成度(小説としての面白さ)部門

の4つに分けてみました。

国内ミステリと比べて海外ものは叙述トリックによるどんでん返しが多くないので、意外な結末というよりは文字通り犯人や展開の意外性という感じになります。

どんでん返し部門

『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

ミステリの知名度では世界一なんじゃないかと思う、『そして誰もいなくなった』。

私はミステリを読む前の小さい頃からポアロ、マープルの海外ドラマを見まくっていたので、クリスティ作品の中でもこの『そして誰もいなくなった』に触れたのは結構後の方でした。

初読時はポアロもマープルも出てこないことが寂しいと思いつつも、1日で一気に読み切ってその面白さに驚いたのを覚えています。

最近BBCで映像化されたものがかなり原作に忠実で面白かったので、この作品が好きな方は是非!

ちなみにアガサ・クリスティ作品はポアロもマープルも全て映像化されています。映像配信サービスでは唯一U-NEXTでポアロが全エピソード配信されているので、ぜひ一ヶ月の無料体験で観てみて下さい!

また、この『そして誰もいなくなった』は、Amazonのオーデイオブック(音読)サービスAudible対応作品です!アガサ・クリスティ作品は他にも『オリエント急行殺人事件』や『ABC殺人事件』のような一級作品も聴けますので、こちらも1ヶ月無料体験でぜひ聴いてみてください!

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『アクロイド殺し』 アガサ・クリスティー

名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。

アガサ・クリスティのどんでん返し小説といえば、フェアかアンフェアかの論争を起こした作品である『アクロイド殺し』が鉄板です。

今の時代から考えると、この作品がフェアかアンフェアかでいえばフェアそのものです。伏線もしっかり撒かれているし、どんでん返しを見破るための材料は充分にあります。

今読んでも完成度が高い1作なので、未読の方はぜひ。

ちなみにアガサ・クリスティ作品はポアロもマープルも全て映像化されています。映像配信サービスでは唯一U-NEXTでポアロが全エピソード配信されているので、ぜひ一ヶ月の無料体験で観てみて下さい!

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『死のドレスを花婿に』 ピエール・ルメートル

狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!

優秀なキャリアウーマンだった主人公が、時々記憶を失ってしまうようになり、記憶を失っている間に人を殺してしまったという疑惑が持ち上がる。

かつて正常だった自分が、なぜこんなことになったのかわからないという感情移入しやすいスタートが、まさに極上のサスペンス性。

衝撃の展開が多数用意されていて全く飽きないので、最後まで行き着く間もなく読み切ってしまえると思います。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

ピエール・ルメートル「カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズ」

その女アレックスが圧倒的に有名になったこのシリーズですが、全て読んでみると、これは3つで1つだなという感想に落ち着きました。

というのも、これらの作品は非常に高いサスペンス性が特徴でそこが評価されていますが、3作読むと、全ての作品で登場しているカミーユ・ヴェルーヴェン班の変化を楽しむのもまたこのシリーズの醍醐味だなと感じたからです。

実際、『イレーヌ』を読むと強烈に『アレックス』を読みたくなり、『カミーユ』を読むとまた『イレーヌ』から一気読みしたいと感じた方は多いのではないでしょうか。

ちなみに私個人の好みはイレーヌ>アレックス>カミーユの順。それにしてもピエール・ルメートルはサディスティックすぎる…w

『悲しみのイレーヌ』

『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部のデビュー作。 奇怪な連続殺人をめぐる物語がたどりつく驚愕の真相。 若い女性の惨殺死体が発見された。パリ警視庁のヴェルーヴェン警部は、裕福な着道楽の部下ルイらとともに捜査を担当することになった。殺人の手口はきわめて凄惨で、現場には犯人のものと思われる「おれは帰ってきた」という血文字が残されていた。 やがて過去の未解決事件とのつながりが浮かび上がる。手口は異なるものの、残虐な殺人であることは一致していた。これは連続殺人なのだ。そして捜査が進むにつれ、犯人は有名なミステリ作品に登場する惨殺死体を模して殺人を繰り返しているらしいことが判明した。ジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』、ブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』……ほかにも未解決の事件があるのではないか? ヴェルーヴェン警部らは過去の事件のファイルを渉猟し、犯人の痕跡を探る。

結末の衝撃:★★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『その女アレックス』

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『傷だらけのカミーユ』

 アンヌという女性が二人組の強盗に殴られ瀕死の重傷を負った。警察からカミーユに電話がかかってくる。アンヌの携帯の連絡先のトップにあったのがカミーユの電話番号だったからだ。カミーユは病院に駆けつけ、アンヌとの関係を誰にも明かすことなく、事件を担当することにする。しかし強引なうえに秘密裏の捜査活動は上司たちから批判され、事件の担当を外されるどころか、刑事として失格の烙印さえ押されそうになる。カミーユはいったいどのようにして窮地を脱し、いかに犯罪者たちを追い詰めることができるのか。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

ジェフリー・ディーヴァー「リンカーン・ライムシリーズ」

海外ミステリ作家の中で「どんでん返し」に定評がある作家といえば、ジェフリー・ディーヴァー。

映画化もされていて知名度の高い第一作目「ボーン・コレクター」から始まるリンカーン・ライムシリーズはどれもどんでん返し、サスペンス性、キャラクターの魅力に溢れていて面白いです。

また、小説全体の特徴としては情景が頭に浮かびやすく、捜査シーンが専門知識満載で抜群に面白いことが挙げられますね。海外ものが苦手でも読みやすいと思います。

映画でしか知らないという方にはぜひ手にとってみてほしいシリーズです。あまり余裕がない場合はシリーズ1作目の『ボーン・コレクター』と、最高傑作と名高い7作目『ウォッチメイカー』をおすすめします。

『ボーン・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー

ケネディ国際空港からタクシーに乗った出張帰りの男女が忽然と消えた。やがて生き埋めにされた男が発見されたが、地面に突き出た薬指の肉はすっかり削ぎ落とされ、女物の指輪が光っていた……女はどこに!? NY市警は、科学捜査専門家リンカーン・ライムに協力を要請する。彼は四肢麻痺でベッドから一歩も動けないのだが……。ハンデをも武器にする、ニューヒーローが大活躍の傑作ジェットコースターミステリ。<リンカーン・ライム>シリーズ第1弾!

上で説明したとおり、映画化もされた「リンカーン・ライム」シリーズの第一作。

とにかく先が気になるし、どんでん返しがあるし、読みやすいし、捜査シーンは面白いし、恋愛小説としても見どころアリで、読んでいないともったいないと断言できる海外ミステリの1つ。

映画もなかなか上手に映像化していると思いますが、実質原作の序盤〜中盤の内容くらいしかない感じで、映画版は犯人の描き方がかなり甘く、ライムとサックスの間のドラマもかなり省略されているので、圧倒的に原作の方が面白いです。

シリーズの文庫本全てが上下巻構成なのが玉に瑕ですが、ボリュームがあるので仕方ないですね…。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:S

『ウォッチメイカー』 ジェフリー・ディーヴァー

ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。その報がリンカーン・ライムのもとに届いた。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を十個、買っていることが判明した—被害者候補はあと八人いる!だが、いつ、誰が、どこで?尋問の天才キャサリン・ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。一方、刑事アメリア・サックスは別の事件を抱えていた。会計士が自殺を擬装して殺された—事件にはニューヨーク市警の腐敗警官が噛んでいるようだった。捜査を続けるアメリアの身に危険が迫る。二つの事件はどう交差するのか?史上最強の敵、登場!時計じかけのごとく緻密な犯罪計画をひっさげてライムとアメリアを翻弄するウォッチメイカー。熾烈な頭脳戦に勝利するのはライムか殺人者か?ドンデン返しに次ぐドンデン返し。

『ボーン・コレクター』で有名なジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム7作目。

どんでん返しに定評があるシリーズですが、この作品はどんでん返しどころかとにかくどんでん返りまくりな、どこかアメリカっぽさを感じる1作。

この作品では主人公のライムよりも、新登場のもはや”歩く嘘発見器”、尋問のプロ「キャサリン・ダンス」の魅力がとんでもない。彼女が登場するシーンはどこも目が離せません。確実に聞き込みや尋問のシーンはどのミステリよりも面白かったです。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『スキン・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー

科学捜査官リンカーン・ライムは、犯罪の天才ウォッチメイカーが獄中で死亡したとの報を受けた。その直後、新たな難事件がもちこまれる―腹部に謎めいた文字を彫られた女性の死体が発見された。犯人はインクの代わりに毒物で刺青を刻み、被害者を毒殺したのだ。現場で発見できた証拠物件はごくわずかだったが、犯人が残した紙片はニューヨークで起きたある連続殺人に関する書籍の切れ端だった―ライムが解決した“ボーン・コレクター”事件である。犯人はボーン・コレクターの手口とライムの捜査術に学び、殺人をくりかえしているのか?次の犯行はどこで起きるのか?被害者に彫られた文字は何を意味する?スキン・コレクターの真の狙いはいったい何か?すべてを解くカギは証拠の中に!“ドンデン返しの魔術師”ディーヴァーが放つ会心作。緻密な伏線と手がかりから、二重三重に擬装された衝撃の完全犯罪が浮かび上がる!

ボーン・コレクターを意識したと思われる連続殺人が起こる。

正直このシリーズに慣れていたらどんでん返しはいくつかは読めてしまうと思うんですが、それでもなかなか楽しめました。『ボーン・コレクター』と『ウォッチメイカー』に登場しているキャラクターのその後が楽しめる作品でもあるので、この2作でファンになった人はぜひ。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

サスペンス部門

『幻の女』 ウイリアム・アイリッシュ

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?

私の中でサスペンス小説(主人公が追い詰められていく系)の頂点に立っている作品。

さて、この作品の見どころはなんといっても主人公の無罪を証明するために事件の夜を共にした「幻の女」を探すそのスピード感。行く先行く先で目撃者が謎の死を遂げてしまい、証拠が手からすり抜けていくもどかしさが、ページをめくる手を止めさせません。

こういう追い詰められ系の話が好きな人には堪らないと思います。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:S

『そしてミランダを殺す』 ピーター・スワンソン

空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!

う〜ん面白い!

空港のバーで出会った男女が「もう二度と会うことはないんだから、嘘はなしで真実だけを語り合いましょう」と会話を始めるプロローグから、もう雰囲気に夢中でした。こういう楽しみ方って海外ミステリならではだよなぁ…。

章ごとに語り手が変わっていくタイプのミステリはもうかなり数も多いので、当然叙述トリックに警戒しながら読み進めましたが、思った方向に進まないあたり流石高評価のミステリです。

文章は少し直訳気味かな?と感じましたがそれがいい味を出していて、最初から最後までページをめくる手が止まりませんでした。サスペンスとしても素晴らしい完成度だと思います。

この『そしてミランダを殺す』はすでに映画化も予定されているようなので、キャスティングも楽しみです。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

『わらの女』 カトリーヌ・アルレー

翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。

海外サスペンスというと幻の女や死の接吻などに押され気味ですが、私はこの『わらの女』は本当に面白かったです。

今風に紹介するなら、婚活中の34歳独身女性が大富豪の嫁募集の広告に飛びついて、遺産を狙う話ですw

結末に少しツッコミどころがあるのが残念ですが、本当に最後まで一気に読めます。面白い。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★

おすすめランク:A

『死の接吻』 アイラ・レヴィン

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。彼女をなんとかしなければならない。おれには野心があるのだ――冷酷非情のアプレゲール青年の練りあげた戦慄すべき完全犯罪。

この作品もミステリーランキングで上位常連の作品。視点の切り替えによって読者の興味が移り変わっていくという面白い構成の作品です。

この作品は3章構成なのですが、それぞれの章で焦点が変わっていきます。

第一章では、あらすじの通り予定外の妊娠をしてしまった彼女をどのように始末するのか、犯人の男の心理をサスペンス要素たっぷりに描きます。

そして第二章。犯人の男を追う人物が登場し、そちらからミステリー的要素に移ります。ここで面白いのが、第一章の男の名前が登場していないが故に読者も犯人がわからないということ。第二章で犯人候補に上がる男たちの中に、第一章のあの男がいるのか。そのような視点で読み進めていくことになります。

それなりに長い作品ですが、このように視点が変わるため飽きが来ないのが特徴です。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

本格ミステリ部門

『Xの悲劇』 エラリィ・クイーン

ニューヨークの電車の中で起きた奇怪な殺人事件。おそるべきニコチン毒をぬったコルク玉という新手の凶器が使われたのだ。この密室犯罪の容疑者は大勢いるが、聾者の探偵、かつての名優ドルリー・レーンの捜査は、着々とあざやかに進められる。“読者よ、すべての手がかりは与えられた。犯人は誰か?”と有名な挑戦をする、本格中の本格。

私に海外古典ミステリの面白さを教えてくれた一冊。

このXの悲劇を最初に読んだのは10年以上前ですが、未だに映画のように頭のなかに情景が浮かんできます。

大雨の中、路面電車の中で起こる殺人事件、そして深夜の埠頭で起こる殺人事件…。事件の面白さ、犯人の意外性はもちろん、雰囲気を楽しみたい方に超おすすめしたい一作。この点では私の中で不動の1位です。

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:S

『Yの悲劇』 エラリィ・クイーン

行方不明をつたえられた富豪ヨーク・ハッターの死体がニューヨークの湾口に揚がった。死因は毒物死で、その後、病毒遺伝の一族のあいだに、目をおおう惨劇がくり返される。名探偵レーンの推理では、あり得ない人物が犯人なのだが……。ロス名義で発表した四部作の中でも、周到な伏線と、明晰な解明の論理は読者を魅了する古典的名作。

バーナビー・ロス名義で書かれたドルリィ・レーン四部作の二作目で、海外ミステリランキングで常に最上位に位置するエラリイ・クイーンの超有名作品。

XとYは本当に同じくらい好きで、どちらか選べと言われても相当迷いますw

余談ですが、バーナビー・ロス=エラリイ・クイーンだとわかった時の世間の騒ぎ方ってどんな感じだったのか凄く気になりますw こういうの今の時代だったらインターネットもあるし凄く楽しそう。

このYの悲劇はXの悲劇とは違い一転して「館もの」。毒々しい雰囲気が全編に漂っていて、暗い雰囲気が好きならたまらないかも。初めて読んだときは言い様のない恐怖で夜眠れなくなったのを覚えています。

それにしても、XもYも本当に今読んでもめちゃくちゃ面白くて一気に読めるのが凄い。古典の翻訳とは思えませんね…。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:S

エラリー・クイーン「国名シリーズ」

謎解きが楽しめる「本格ミステリ」といえばエラリー・クイーンの国名シリーズ。

今読むと若干展開がのっぺりしていて読みにくい部分もありますが、やっぱり謎解きに関しては面白いです。

国内ミステリでいえば有栖川有栖、青崎有吾が今も読者への挑戦を最後に出してくるタイプのシリーズを書いていますが、彼らが好きならやっぱりエラリー・クイーンは一読の価値大アリです。逆もまた然り。

特に評価が高いのは「ギリシャ」と「エジプト」の2つですね。特に「エジプト」は割とスピード感があって読みやすいので古典が苦手な方にもおすすめできます。

『エジプト十字架の秘密』 エラリー・クイーン

ウェスト・ヴァージニアの田舎町、アロヨで不可解な“T”だらけの殺人事件が発生。死体はT字路にあるT字形の標識に磔にされ、その頭部は切り落とされていた。さらに被害者の家の扉には、血塗られた不気味なTの文字が―。エラリーは単身捜査をするが、真相は分からずじまい。だが半年後、再び奇怪な“T”にみちた殺人事件の知らせが届き…。サスペンスあふれる展開と緻密な推理で人気を誇る“国名シリーズ”第5弾。

エラリィ・クイーンの本格推理「国名シリーズ」第5弾。(これだけ読んでも大丈夫!)

田舎町で校長が首無しの磔死体で見つかるところから始まる凄惨な連続殺人。

この作品はとにかく中盤と終盤で聞けるエラリーの推理が鮮やか。本当にエラリィ・クイーンはレベルが高いなぁ…。現場の図とかがあればもっといいんですが、流石にしょうがないか。笑

とにかく分厚く、翻訳ものなので読みにくくて私も挫折したことがあるのですが、読むなら絶対に角川文庫の新訳版をおすすめ。本当にこだわって翻訳されていて、読みやすさもピカイチです。

誰が犯人かはしっかり考えれば確信を持って当てられるレベルなので、頑張って挑んでみてはいかがでしょう!

結末の衝撃:★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★

話の面白さ:★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:B

『五匹の子豚』 アガサ・クリスティー

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです……娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?

古典ミステリの女王アガサ・クリスティーには有名な作品が数多くありますが、現代の今読んでも文句なしに面白いといえる作品はどれだけあるでしょうか。

もちろんどの有名作品も面白いんですが、全く色あせない面白さがあるという点ではこの『五匹の子豚』は絶対に外せません。

この作品では過去の殺人の再調査をポアロが依頼されるのですが、その時事件に関わった警視や弁護士などに話を聴くことに加えて、現場にいた5人に過去のことを思い出して手記を書いてもらうという方法を取ります。

5人それぞれから見た事件はそれぞれ違った角度から物を見ていますが、ポアロがその手記を分析して犯人を特定する様は見事。読者も全ての情報を与えられて結末に挑むことになるので、謎解き小説としても一級品の出来です。

意外と知られていない名作ですが、完成度の高さが凄いので、ぜひ。

ちなみに、海外ドラマ版の『五匹の子豚』はU-NEXTで配信されているので、ぜひ一ヶ月の無料体験で観てみて下さい!

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『葬儀を終えて』 アガサ・クリスティー

リチャードは殺されたんじゃなかったの―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだったのか?翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤の中に見たものとは。

うろ覚えですが、小さい頃にアガサ・クリスティが自分で決めたベスト作品群の中で、有名タイトルに混じってこの『葬儀を終えて』が入っており、この作品を知らなかった私は早速読んでその面白さに驚いたのを今でも覚えています。

とにかく掴みがよくて、一家の主リチャードが死ぬ→遺族が集まって遺言公開→誰もが普通の穏やかな病死だと思っていたのに末妹コーラが「リチャードは殺されたんでしょう?」と言い騒然→コーラが惨殺される

という流れで一気に引き込まれます。

こんなに面白いミス・ディレクション作品ってなかなかないと思います。結末は本当に見事。

巻末の解説で折原一さんもクリスティベスト1に挙げていたのをこの記事執筆中に気付き、ちょっと嬉しくなりましたw

ちなみに、海外ドラマ版の『葬儀を終えて』はU-NEXTで配信されているので、ぜひ一ヶ月の無料体験で観てみて下さい!

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『グリーン家殺人事件』 ヴァン・ダイン

ニューヨークのどまんなかにとり残された前世紀の古邸グリーン家で、二人の娘が射たれるという惨劇がもちあがった。この事件をかわきりに、一家のみな殺しを企てる姿なき殺人者が跳梁する。神のごときファイロ・ヴァンス探偵にも、さすがに焦慮の色が加わった。一ダースにのぼる著者の作品中でも、一、二を争うといわれる超A級の名作。

上で紹介した『Yの悲劇』の基になった、超古典であるヴァン・ダインの作品で、館で次々起こる殺人事件の走りともいえる存在。

今の時代から考えると犯人は正直わかります。全く意外でもなく、本当にわかるんですが、全編通しての雰囲気がすっごくいいんですよ。おどろおどろしくて。Yの悲劇はこの点に関してはグリーン家を越えられなかったなと。

洋館、薄暗い、閉鎖的。このワードでグッと来たら是非手に取ってみてほしいです!

結末の衝撃:★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

『僧正殺人事件』 ヴァン・ダイン

だあれが殺したコック・ロビン?「それは私」とスズメが言った—。四月のニューヨーク、この有名な童謡の一節を模した不気味な殺人事件が勃発した。マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてくる“僧正”の正体とは?史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。

見立て連続殺人の元祖的存在。

ヴァン・ダイン作品は海外ミステリの中でも古典中の古典で、『グリーン家殺人事件』は雰囲気こそ最高なものの犯人当ては超簡単でした。しかしこちらの『僧正殺人事件』は雰囲気の素晴らしさはそのままに、犯人、結末の意外性も充分で今読んでもかなり楽しめる作品だと思います。

見立ての連続殺人ものが好きなら必読の一冊です。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:A

プロット完成度部門

『ロング・グッド・バイ』 レイモンド・チャンドラー

私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた……

ハードボイルドの超名作。多くのミステリランキングで最上位クラスにいつもランクインしているのをきっかけに読んだのを思い出します。

この作品は物語、ミステリとしても面白いのですが、やっぱり特筆すべきはその名場面の数々。特にクライマックスのギムレットの名シーンは文字通り歴史に残っていますし、カクテルのギムレットのwikipediaにも載っているくらいです。

私もギムレットを初めて飲んだのはこの作品がきっかけでした。

海外ミステリのおしゃれな雰囲気が好きだという方は必読の一冊です。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『湿地』 アーナルデュル・インドリダソン

レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。

北欧ミステリらしい、重厚さ、残虐さ、そして考えさせられるテーマのすべてが揃った作品。

エーレンデュルシリーズの3作目らしいのですが、和訳ではシリーズ1作目になります。

事件は物凄くシンプルで、結末であっと驚くタイプの小説ではないんですが、とにかく全編通して暗く、やるせないのに、読後感はまるで暗闇に一筋の光が射したような独特の感覚が味わえます。

映画化もされているので観てみましたが、はっきりいってかなり微妙なので原作を読むのをおすすめします。

結末の衝撃:★★

巧妙な伏線:★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:B

『緑衣の女』 アーナルデュル・インドリダソン

男の子が住宅建設地で拾ったのは、人間の肋骨の一部だった。レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは、通報を受けて現場に駆けつける。だが、その骨はどう見ても最近埋められたものではなさそうだった。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。サマーハウス関係者のものか。それとも軍の関係か。付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。封印されていた哀しい事件が長いときを経て明らかに。CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞をダブル受賞。世界中が戦慄し涙した、究極の北欧ミステリ登場。

『湿地』に続くアーナルデュル・インドリダソンの和訳第2作。

「床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかった」という1行目は、私にとって近年で最強のインパクトでした。

『湿地』でもやるせない悲劇を重厚に描き出していましたが、この2作目ではそれが更にパワーアップしています。今作はやるせないを越えてめっちゃ切ない。今まで読んだミステリでも最高かなというくらい切なかった。でもやっぱり読後感は、強烈な切なさの中に柔らかい暖かさがありました。

湿地同様、謎解きを楽しむタイプのミステリではありませんが、メッセージ性の強さに惹きつけられる、凄い作品だと思います。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★

一気に読ませる:★★★★★

話の面白さ:★★★★★

完成度:★★★★★

おすすめランク:A

『許されざる者』 レイフ・GW・ペーション

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。犯人をみつけだし、報いを受けさせることはできるのか。スウェーデンミステリ界の重鎮による、CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝く究極の警察小説。

脳梗塞で倒れて今では病院のベッド住まいの元国家犯罪捜査局の長官、ラーシュが、時効になってしまった未解決事件を調べなおす。

この作品の大きなテーマは「時効で裁けない犯人を見つけて、どうするのか」というテーマですが、この重さとラーシュのおちゃめなおじいちゃんっぷりがいい具合のギャップになって読み進ませてくれます。

結末もなかなか意外というかなんというか…。考えさせられるものがあります。

結末の衝撃:★★★★

巧妙な伏線:★★★

一気に読ませる:★★★

話の面白さ:★★★★

完成度:★★★★

おすすめランク:B

フロスト警部シリーズ

各種ミステリランキングで必ずといっていいほど上位に入るフロスト警部シリーズ。

そのことから超王道のミステリと思っている人も多そうですが、実はちょっと毛色が違います。論理的な謎解きや、どんでん返しを楽しむタイプの作品ではありません。

キャラクターと、ストーリーテリングの見事さを楽しむ作品です。

まず、キャラクターとそれを取り巻く人間関係が超面白い。

まず主人公のジャック・フロストは「英国のコロンボ」と呼ばれることもありますが、似ているのは服装のヨレヨレ具合だけ。それ以外は大体フロストのほうが酷いと思ってくれて大丈夫ですw

フロストは女性を見れば胸と尻の話ばかりで、思ったことはすぐに口にする。直属の上司には相当嫌われていていつもキレられるが、フロストはゴリ押し。超巻き込まれ体質で、物語中の大体の不幸はこのフロスト警部の元に集まってしまい、そのせいでフロストの部下は朝の4時まで帰れない。笑えるw

ミステリとしての特徴は、1作で起こる事件の数がとにかく多いこと。5,6個は軽く起きます。

そしてそれらはそれぞれが全く関係がありそうもない事件ばかり。その全てを解決するためにフロストが奔走することになります。

本も分厚くて読むのも大変ですが、1冊読み終わるとすぐに次が読みたくなってしまう、魔力のあるシリーズだと思いますね~。

順番は、

  1. クリスマスのフロスト
  2. フロスト日和
  3. 夜のフロスト
  4. フロスト気質
  5. 冬のフロスト
  6. フロスト始末

です!