Contents
- 1 本当に面白いミステリ映画「王道ミステリ部門」
- 1.1 『オリエント急行殺人事件』
- 1.2 BBCドラマ『そして誰もいなくなった』
- 1.3 名探偵ポワロシリーズ
- 1.4 『セブン』
- 1.5 『羊たちの沈黙』
- 1.6 『薔薇の名前』
- 1.7 『悪魔の手毬唄』(金田一耕助シリーズ)
- 1.8 『プリズナーズ』
- 1.9 『真実の行方』
- 1.10 『マイノリティ・リポート』
- 1.11 『天使と悪魔』
- 1.12 『ナイル殺人事件』
- 1.13 『祈りの幕が下りる時』(加賀恭一郎シリーズ)
- 1.14 『容疑者Xの献身』(探偵ガリレオシリーズ)
- 1.15 『ミスティック・リバー』
- 1.16 『瞳の奥の秘密』
- 1.17 『殺人の追憶』
- 1.18 『母なる証明』
- 1.19 『特捜部Q』シリーズ
- 1.20 『古畑任三郎』シリーズ
本当に面白いミステリ映画「王道ミステリ部門」
『オリエント急行殺人事件』
イスタンブールで事件を解決した私立探偵エルキュール・ポアロは、新しい事件のためオリエント急行で急遽ロンドンに向かうことになった。ところが列車はそのシーズンにしては珍しく混んでおり、一等寝台車は満室であった。ポアロはホテルで友人のビアンキに再会する。オリエント急行を所有する国際寝台車会社の重役である彼の計らいにより、ポアロはなんとかオリエント急行に乗り込むことに成功する。イスタンブールを出て2日目の夜、雪のために列車はバルカン半島内のある場所で停車してしまう。そしてその翌朝、一等車に宿泊していた裕福なアメリカ人の乗客ラチェット・ロバーツが死体で発見される。
アガサ・クリスティーの超有名作品の映画化作品。
もうこれを超えるものは出てこないと思ってます。100回は観てます。
映像から部隊から役者から音楽まで全て超一流でもう本当に何も言うことがありません。特にこの作品はほとんどのシーンが乗客への取り調べで、小説で読むと結構退屈してしまうのですが、映画は舞台の美しさで完全にカバー。オリエント急行に乗りたい…。
超がつくほどの名作なので、見てください。
2017年冬にケネス・ブラナー監督主演で再び映画化されるので、これを楽しみに待ちたいと思います。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
※追記
ケネス・ブラナー版も映画館で公開初日に観ました。感想としてはこの古い映画のオリエント急行と、デビット・スーシェのドラマ版の中間のような描き方でしたね。映画としてはフィニー版のほうが好きですが、新しいオリエント急行が観れたのは嬉しかったです。リメイク版にランクをつけるなら、Bランクくらいかなというところです。
『オリエント急行殺人事件(2017)』をAmazonビデオで観る
BBCドラマ『そして誰もいなくなった』
言わずと知れたアガサ・クリスティーの超有名作品のドラマ化。
これがもう凄まじいクオリティで大満足の1作でした。
「そして誰もいなくなった」は1945年に映画化され、それ以降も数々の映画化がされました。
1945年版はたしかに面白いのですが、他の作品はかなりアレンジされており出来としては正直微妙。1945年版もあの時代特有ですがどこか軽いところがあったんですよね。(船で島に行くシーンは笑えるので好きなんですけどねw
それに比べ、このBBCドラマは正直完璧に近い出来だったと思います。尺も3時間で嫌なカットもなし、かなり原作に忠実(謎解き以外)、映像も豪華。
今ではDVDしか観る方法がないですが、この作品のファンなら観て下さい。大満足できると思います。現在U-NEXTで配信されています!素晴らしすぎる。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★
謎解き度:★★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
『そして誰もいなくなった』をU-NEXTで観る(2019年12/31まで)※日本ドラマ版も2019年3/31まで観れます!
名探偵ポワロシリーズ
映画ではなく海外ドラマシリーズですが、おすすめミステリを語るなら間違いなく外せない存在なのでここに。
このドラマシリーズは、とにかく最終話の「カーテン」に至るまでの構成が完璧だったなと。「オリエント急行殺人事件」もめちゃくちゃ渋くて、本当にファン以上にシリーズを愛している人たちが作ったんだなということが伝わってくるシリーズです。
個人的に特におすすめなのは「ABC殺人事件」「白昼の悪魔」「もの言えぬ証人」「ポワロのクリスマス」「ナイルに死す」「ホロー荘の殺人」「葬儀を終えて」「五匹の子豚」「オリエント急行の殺人」「カーテン」あたり。ほとんど全部面白いですけどねw
映像配信サービスでは、唯一U-NEXTのみ全シリーズ配信されていますので、文字通り必見です!
ミス・マープルシリーズも互角の面白さなので、どこかで配信してくれればいいんですけどねぇ。
『名探偵ポワロ(シーズン1~13)』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年9/30まで)
『セブン』
雨の降り続く、とある大都会。退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事サマセットと、血気盛んな新人刑事ミルズは、ある死体発見現場に急行した。死体は信じられないほど肥満の男であり、彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。状況から、何者かによって手足を拘束され、銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。
七つの大罪を題材にした連続殺人が起こる。
雨が降り続く陰湿な街の雰囲気、テーマのある連続殺人、タイプの違う魅力的な2人の刑事とミステリに望むものが全て揃ったまさに私好みの1作。
犯人当ての要素が物足りないのだけが心残りですが、このタイプの映画でセブンを超えるものに早く出てきてほしいです。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★
謎解き度:★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
『羊たちの沈黙』
女性を誘拐し皮を剥いでいるバッファロー・ビルに関する情報を得るため、若きFBI訓練生のクラリス・スターリングが、投獄されている社会病質の精神科医のもとに送られる。
当初、クラリスと対面したレクター博士は「アカデミーに帰りなさい、クラリスお嬢さん」とすげなくあしらうが、彼女が囚人の一人に辱められたことに怒り、その非礼への償いとして最初のヒントを与える。その後、クラリスの少女時代の記憶、秘められた過去の話と引き換えに、博士は彼女へ事件解決のアドバイスを与え続けていく。
もはやここまで来るとわざわざ言うことがなくなってきますね…w
この頃のジョディ・フォスターの美しさに見惚れる。しかもジョディ・フォスターってめちゃくちゃ頭も良くてバイリンガルとかいう反則スペック。
ちなみにジョディ・フォスター出演作品だと『告発の行方』も面白いミステリ映画です。是非。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★
謎解き度:★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『薔薇の名前』
14世紀の修道院で、奇怪な連続殺人事件が発生。ある者は悪魔の仕業だと言い、ある者は一連の死と聖書との関係に注目した。しかしバスカヴィルのウィリアム修道士の考えは違った。彼は異端者の道具――すなわち事実と推理を用いて、犯人を突き止めようとする。
名作ミステリとして名高い原作の、ありがたい映画化作品。
何がありがたいのかというと、原作のボリュームがあまりにもありすぎて挫折した過去があるからです。笑
舞台は中世、イタリアの修道院で起こる、連続殺人事件です。修道院なだけあって宗教色が強い雰囲気ではありますが、ミステリとしてはかなり王道の構成で、おすすめです。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『薔薇の名前』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年10/14まで)
『悪魔の手毬唄』(金田一耕助シリーズ)
文明社会から隔離され、古い因習がいまも力を持つ鬼首村(オニコベムラ)。村に伝わる手毬唄。その歌詞に見立てた殺人事件が発生する。事件解決を依頼された金田一耕助。やがて、事件の背後に村を二分する二大勢力、由良家と仁礼家の存在が浮かび上がってくる。金田一は真犯人を見つけ出すため、失われた手毬唄の秘密を追うが……。石坂浩二の金田一耕助シリーズ第二弾。
金田一シリーズはミステリが好きなら映像化されているものはほぼ全て抑えておきたいですね。
おすすめは『悪魔の手毬唄』『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』の4作。この4つは最低限マストって感じです。
特に『悪魔の手毬唄』は映像化されているものの中では一番の傑作で、邦画ミステリの中ではトップのクオリティだと思います。
金田一シリーズは原作も面白いので、映画が好きなら一度読んでみるのもおすすめしますよ~。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★★
話の面白さ:★★★★
謎解き度:★★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
『プリズナーズ』
ペンシルベニア州のとある田舎町。小さな工務店を営むケラー・ドーヴァーは愛する妻グレイス、息子ラルフ、娘アンナ、隣家のフランクリン・バーチ、ナンシー、イライザ、ジョイと共に感謝祭を迎えていた。だがその最中、遊びに行ったはずのアンナが、隣家の娘ジョイと共に行方不明になってしまう。この事件を担当することになったデビッド・ロキ刑事は、二人が何者かに誘拐されたと見て、現場付近で目撃された不審なRV車を手がかりに、それに乗っていた青年アレックス・ジョーンズを拘束する。しかし、アレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も決定的な証拠も得ることはできずに、釈放の期限を迎えてしまう。
一向に進展しない警察の捜査に業を煮やしたケラーは、アレックスに詰め寄り娘の居場所を聞き出そうとする。
「もう面白いミステリ映画は出ないのかなぁ。」
「ネタが出尽くしちゃったかなぁ。」
と絶望しかけていた時に現れた新星。
ミステリ要素だけでなく、自分の子供が誘拐された時、自分の行動に歯止めがきくのかというテーマ自体も面白い。
考えさせられてかつ面白いミステリ作品ってなかなかないので、おすすめの一本です。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★
完成度:★★★★
おすすめランク:A
『プリズナーズ』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年7/19まで)
『真実の行方』
シカゴのカトリック教会で大司教が惨殺され、大司教のもとで教会のミサの介添え役を行っている聖歌隊所属の19歳の青年アーロン(エドワード・ノートン)が容疑者として逮捕される。日頃からメディアで名を売り、金儲けのためならギャングの代理人も厭わない辣腕弁護士マーティン・ベイル(リチャード・ギア)は、世間の注目を集めるこの事件を聞き、アーロンの弁護を無償で買って出る。これに対し検察当局は、こちらも辣腕女性検事として名を馳せているジェーン・ベナブル(ローラ・リニー)を担当検事に任命し、第一級殺人の罪でアーロンを起訴、死刑の判決を得るよう指示する。
アーロンは血まみれで現場から逃走しており、大司教殺しが彼の犯行であることは動かしがたいように思われた。しかし、アーロンには殺害犯行時の記憶がなく、物乞いをしていたところを大司教に拾われ聖歌隊員として住居と食べ物を与えられた恩があり、殺すはずなどないと無実を訴える。
再び裁判もの。
アーロンは殺人を犯したのか、犯していないのか。話が二転三転する様の見ごたえはもちろん、主演のエドワード・ノートンの演技がとにかく素晴らしい。
ファンなら絶対に観てほしいですね。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★
おすすめランク:A
『真実の行方』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年9/18まで)
『マイノリティ・リポート』
プリコグ(precog:precognitive、予言者)と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システム。それに従って予防的治安維持機能を遂行する犯罪予防局によって、システムの導入以後、西暦2054年のワシントンD.C.の殺人発生率は0%になったと報告されていた。
犯罪予防局の刑事ジョン・アンダートンは、6年前に息子のショーンが誘拐殺害されたのをきっかけに、犯罪予防にのめり込むようになっていた。息子を失ったトラウマから、その仕事に対する執着心は病的とも言えるもので、苦痛から逃れるため薬物にも手を出していたほど。
後日、新たに殺人事件が予知されるが、そこには見ず知らずの他人であるリオ・クロウなる男を殺すジョンの姿が映っていた。
近未来が舞台のSFサスペンス。
自分が本当に予知通り殺人を犯すのか。ならその目的はなんなのか。さらに本筋は殺人予知のシステムの根本まで迫っていきます。
かなり有名作品なので観ている人が多いと思いますが、見ごたえのある1作です。
ジャンル:サスペンス
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★★
完成度:★★★★
おすすめランク:A
『天使と悪魔』
ハーバード大学のロバート・ラングドン教授は、ある日セルンの所長、マクシミリアン・コーラーからとあるアンビグラムの紋章についての説明を求められる。その紋章は、同研究所の科学者レオナルド・ヴェトラが何者かによって殺害された際、彼の胸に焼印として押されていたものだった。レオナルドは最近、核エネルギーを凌駕する反物質の生成に成功しており、その反物質も犯人によって盗まれていたことが判明する。ラングドンはその紋章を、伝説的な秘密結社・イルミナティのものと断定するが、犯人と結びつけることには躊躇していた。彼は手がかりを求め、殺害されたレオナルドの娘、ヴィットリア・ヴェトラとともにローマへと向かう。
ダン・ブラウン原作の『ダ・ヴィンチ・コード』に続く映画第二作。
この後に『インフェルノ』も映画化されましたが、この3作の中では天使と悪魔が映画としては一番面白いと思ってます。
シリーズ3作に共通することですが、とにかくロケーションが良すぎるので目が幸せになれるのも特徴。ミステリとしての面白さもばっちり兼ね備えている素晴らしい作品です。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★
巧妙な伏線:★★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
『天使と悪魔』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2019年12/31まで)
『ナイル殺人事件』
アメリカ生まれの美女リネット(ロイス・チャイルズ)は巨額の遺産相続人となった。リネットは旧知の親友ジャクリーン(ミア・ファロー)から相談を受ける。ジャクリーンの婚約者であるサイモン(サイモン・マッコーキンデール)が失業し、生活に苦しんでいるため、手を貸してほしいとの要望だった。リネットはサイモンと会うが、その直後に彼女はサイモンとの電撃結婚を発表する。いわば略奪婚だった。
いまや若き富豪となった夫妻は、新婚旅行でエジプトに赴くが、行く手にジャクリーンが姿を現した。ジャクリーンはナイルの川下りを楽しもうとする夫妻と同じ豪華客船に乗り合わせ、ことあるごとに暴言を浴びせるなど妨害行為を繰り返す。
リネットは船の乗客に、旅行中の私立探偵ポアロ(ピーター・ユスティノフ)がいることを知り、「ジャクリーンを遠ざけてほしい」と頼む。だがポアロは依頼を受けなかった。
一夜が明けた朝、リネットは銃殺されていた。Jの血文字が残されていたことから、ジャクリーンが真っ先に疑われたが、彼女にはアリバイがあった。
アガサ・クリスティーの名作「ナイルに死す」の映画版。ポアロ役はピーター・ユスティノフです。
旅情ミステリとしての見栄えの良さに加えて、流石に超王道のミステリとしての面白さがあるので、知らないという方にはぜひ観て欲しいですね。
もちろんドラマのスーシェ版も面白いので、興味があればそちらもぜひ。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★
謎解き度:★★★★★
完成度:★★★★
おすすめランク:A
『祈りの幕が下りる時』(加賀恭一郎シリーズ)
小菅のアパートで滋賀県在住の40代女性・押谷道子の腐乱遺体が発見された。アパートの住人は越川睦夫と名乗る男性で、現在越川は消息を絶っていた。捜査一課の松宮は殺害時期や現場が近い新小岩での河川敷で発生したホームレス焼死事件との関連性を感じながらも、道子の住む滋賀県での捜査で道子が中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねに上京したことを突き止める。しかも博美は松宮の従兄で日本橋署の刑事・加賀の知り合いだった。松宮から博美についての意見を求められ、初めは管轄違いということもあり捜査の助言を送る程度だった加賀だったが、アパートで見つかった日本橋にある橋の名前を月毎に書き込んだカレンダー(1月:浅草橋、2月:左衛門橋、3月:西河岸橋、4月:一石橋、5月:柳橋、6月:常盤橋、7月:日本橋、8月:江戸橋、9月:鎧橋、10月:茅場橋、11月:湊橋、12月:豊海橋)の存在が、この事件を思わぬ形で加賀の中で燻っていた失踪した母に関する謎と直結させることとなる。
東野圭吾原作の加賀恭一郎シリーズ最終作。
シリーズには他にドラマ、『赤い指』、『眠りの森』、映画『麒麟の翼』がありますが、私はこれの『祈りの幕が下りる時』が一番名作だと思います。ただ他のものも全て面白いので、ミステリ好きなら全部観ておくといいと思います。
このシリーズの特徴としては、話の構成が序盤では全く想像がつかないところに着地するミステリ的面白さにあふれていることと、泣けることですね。ちょっとしっとりしたミステリが観たいならイチオシです。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『容疑者Xの献身』(探偵ガリレオシリーズ)
惨殺死体が発見され、新人女性刑事・内海(柴咲コウ)は先輩と事件の捜査に乗り出す。捜査を進めていくうちに、被害者の元妻の隣人である石神(堤真一)が、ガリレオこと物理学者・湯川(福山雅治)の大学時代の友人であることが判明。内海から事件の相談を受けた湯川は、石神が事件の裏にいるのではないかと推理するが……
上に引き続き、東野圭吾原作の探偵ガリレオシリーズの1作。
ドラマシリーズに加えて、『真夏の方程式』も映画化されていて、安定して面白いです。
加賀さんのシリーズと比べるとドラマ性・ミステリのクオリティ共に少し下かなと思いますが、もっとシリーズ化して作品を増やしてほしかったなぁ…。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★
おすすめランク:A
『ミスティック・リバー』
ジミー、デイブ、ショーンの3人の少年たちが路上で遊んでいると、警官を装った誘拐犯が現れデイブだけを連れ去り、監禁し陵辱する。それから25年後、ジミー(ショーン・ペン)の愛娘が殺害され、刑事となったショーン(ケヴィン・ベーコン)が捜査にあたり……。
公開当初、第二のスタンド・バイミーと売り出されていたミステリ。
監督がクリント・イーストウッドなだけあり、とにかく重厚、そして暗鬱。
ジミー、デイブ、ショーンは仲良し3人組だったが、少年時代に起こったデイブ暴行事件をきっかけに、3人は疎遠になっていく。しかし25年後、ジミーの娘が殺害され、刑事となったショーンが捜査担当、そしてデイブが容疑者として浮上することで、3人は再び再会。過去と現在が心理的に入り組んだ構成はとにかく目が離せません。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『ミスティック・リバー』をAmazonプライムビデオで観る(1ヶ月無料)
『瞳の奥の秘密』
ブエノスアイレスの連邦刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前に起きたある悲惨な事件を描いた小説を執筆しようとしている。それは新婚の美しい女性が自宅で暴行殺害された事件で、ベンハミンが同僚のパブロや上司のイレーネとともに、苦労の末に真犯人を逮捕したという忘れられない記憶だった。事件は解決したかに見えたが、その後不可解な経緯をたどっていた。事件の真相を暴いていく中で、同時にもう一つの真実が明らかになっていく。
アルゼンチン映画の名作ミステリ。
25年前に起きた暴行殺人事件を小説として執筆しようとしている主人公。25年前と現在をいったりきたりしながら、過去のいろいろな感情や事件の真相があぶり出されるという構成。
とにかく大人のミステリという印象で、見事な伏線の張り方と余韻の残し方が凄い。
ハリウッドでも「シークレット・アイズ」というタイトルでリメイクされていますが、こちらのアルゼンチン版のほうがおすすめです。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『殺人の追憶』
1986年10月、農村地帯華城市の用水路から束縛された女性の遺体が発見される。地元警察の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)とチョ・ヨング(キム・レハ)、ク・ヒボン課長(ピョン・ヒボン)が捜査にあたるが、捜査は進展せず、2か月後、線路脇の稲田でビョンスン(リュ・テホ)の遺体が発見される。どちらも赤い服を身に着けた女性で、被害者の下着で縛られた上に、絞殺されていた。
10人の犠牲者を出しながら未解決となった、華城連続殺人事件を元にした戯曲の映画化作品。
暗く不気味な雰囲気で起こる連続殺人もので、実在の事件をテーマにしていることからとにかく怖い…。結末も衝撃的で、必見のミステリ映画だといえるでしょう。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:S
『殺人の追憶』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年4/15まで)
『母なる証明』
知的障害のある息子・トジュンを、母親はつねに心配していた。トジュンには悪友・ジンテがおり、トジュンが轢かれかけた議員のベンツに復讐した際、協力したジンテからバックミラーを破損させた責任を転嫁されたことから、母親は彼との絶交をトジュンに勧めるほどであった。
ある日、トジュンはナンパしようとした少女に逃げられた。その翌日、少女は死体となって発見され、トジュンは殺人容疑で逮捕された。息子が殺人など犯す筈がないと信ずる母は、警察や弁護士に追いすがるが、その努力も無駄と知り、自らの手で事件を解決しようと奔走する。
韓国映画特有の、人間の内面を生々しく描き出したミステリ作品。しかもテーマは知的障害のある息子を守りたい母親というとてつもない重さ。
母親役の演技が上手くてなかなかに強烈。ストーリーも見事な構成と展開で、弱点の少ないミステリ作品です。おすすめ。
ジャンル:ミステリ
結末の衝撃:★★★★
巧妙な伏線:★★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『母なる証明』をU-NEXTで観る(1ヶ月無料)(2020年6/30まで)
『特捜部Q』シリーズ
デンマークの作家J・エーズラ・オールスン原作の『特捜部Q』シリーズを映画化したサスペンスドラマ。未解決事件を扱う窓際部署所属刑事の活躍が、スリルあふれる描写で綴られる。捜査ミスにより部下を殉職させ、自身も重傷を負った経験を持つ殺人課の刑事・カール。新設部署である特捜部Qへ配属されることになったが、そこは未解決事件の残務整理を主な業務とする閑職部署だった。
2018年9月現在、第三作目まで映画化されている特捜部Qシリーズは、安定した面白さを誇る、ミステリ好きにとって本当にこれから先が楽しみなシリーズです。シリーズもので面白いって最近ほぼないですからね…。
私にとっては特に第一作目と第三作目が面白かったです。原作のほうは4作目の評価も高いので、映画化が楽しみ。
ジャンル:ミステリ・サスペンス
結末の衝撃:★★
巧妙な伏線:★★★
話の面白さ:★★★★★
謎解き度:★★★
完成度:★★★★★
おすすめランク:A
『特捜部Q 檻の中の女』をAmazonプライムビデオで観る(1ヶ月無料&第2作目『キジ殺し』も観れます!)
『古畑任三郎』シリーズ
和製コロンボの古畑任三郎シリーズは動画配信サービスで観れます。
これ久々に見返してみると…本当にコロンボですね。笑 コロンボを知っていると、「あ、この話は、このシーンはあれのオマージュだな」って感じで気づけるのでより面白いです。
三谷幸喜はオリエント急行やアクロイド殺しもリメイクしていましたし、ミステリが大好きなんだろうな~と。
序盤は結構、犯人側の計画がガバガバだなぁと思う事件が多かったりしますが、特にシーズン2以降は今見ても本当に面白いです。
古畑シリーズに関しては別の記事でまとめているので、興味がある方は御覧ください。
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